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現在の大学入試制度を徹底解説②~学校推薦型選抜2つの制度~

皆さまおつかれさまです。今回の記事では【学校推薦型選抜】を解説していきます。学校推薦型選抜はさらに「指定校制」と「公募制」に分かれています。ややこしいですね。

 

1.指定校制

指定校制とは、大学側が指定している高校のみ出願でき、かつ人数を限って受け付ける制度です。人数が決まっているため、事前に高校内での選考があります。

高校が「今年はこのメンバーを指定校制の出願させる」と決めるので、その選考に通らなければ出願できません。

 

例:福島県立医科大学の場合

 

福島県立医科大学では県内現役、県内既卒、県外 の3つの枠があり、それぞれの条件は以下の通りです。(令和3年度 入学者選抜に関する要項より抜粋)

(1) 県内現役枠→1校から11名以内

福島県内の高校を卒業見込みの者

・卒業後に本学附属病院又は本学が指定する医療機関で2年間の臨床研修を行う

など

(2)県内既卒枠→1校から5名以内

福島県内の高校を前年度の3月に卒業した者

・卒業後に本学附属病院又は本学が指定する医療機関で2年間の臨床研修を行う

など

(3)県外枠→1校から3名以内

福島県外の高校を卒業見込みの者または前年度の3月に卒業した者

・「福島県緊急医師確保修学資金」の貸与を受けること、及び本学卒業後に福島県内の公的医療機関 等に勤務することを誓約できる者

 など

 

入学者の選抜方法は、①総合問題、②大学入学共通テスト、③面接試験の結果、④高等学校 長の推薦書、調査書等の出願書類を総合的に評価して行います。

つまり大学入学共通テストの受験が必須です。

しかも福島県立医科大学の場合、「大学入学共通テストの成績が、配点合計の概ね 80%以上の者を選抜の対象とします」との条件があるので、高校内での選考に通ったとしても安心はできません。共通テストに向けて勉強していく必要があります。

①総合問題と③面接試験は2月の初めに実施され、一般選抜の2次試験日よりも前に合格発表があります。

 

※ちなみに…調査書についての補足。

前回の【総合型選抜】であまり触れなかった調査書について少し補足しておきます。

調査書に記されるのは、「各教科の学習記録」「全体の学習成績の状況」「学習成績概評」「総合的な学習の時間の内容・評価」「特別活動の記録」「指導上参考となる諸事項」「備考」「出欠の記録」などです。

ちなみに、全教科・科目の成績(評定)を合計して、全科目数で割った数値は、「全体の学習成績の状況」に記載されています。

 

2.公募制

公募制とは、学校長の推薦を得ることができれば、どこの高校からでも出願できる制度です。(大学ごとに別途、出願条件はあるが)

国立大学の場合は指定校制の推薦は無く、公募制で原則行われます。

学校長の推薦を得るためには、おそらく生徒本人が学校に希望を出し、高校側の会議かなんかで「推薦してあげます」とのお墨付きをもらうことが必要だと思われる。

 

例:福島大学の場合

 人文社会学群 行政政策学類には「学校推薦型選抜Ⅰ(大学入学共通テストを課さない)」という入試制度があり、これは公募制の学校推薦型選抜です。

 

<推薦要件>は以下のようになっています。(令和3年度入学者選抜要項より)

次のすべての要件に該当する者のうち,学校長が責任を持って推薦し,合格した場合には入学することを確約できる者。

 ①調査書の全体の学習成績の状況(評定平均値)が4.3以上の者

  ②法・地域・行政・社会・文化について関心がある者

 

<選抜方法>→小論文(100点)と面接(50点)の成績の総合点により判定。

(出願書類は面接の資料として利用)

 

注意点

・学校長の推薦だけでなく、調査書の評定平均の条件を満たすことが必要な場合がある。

・共通テストで指定された科目を受験することが条件で、その点数も含めて評価されるパターンの公募制もある。

 

以上、大学入試制度のうち、【総合型選抜】の解説でした。

 

次回は【一般選抜】の説明をしていく予定です。